江戸川病院

社会福祉法人 仁生社

江戸川病院

放射線治療後再発乳がんを対象としたBNCTパイロット試験の経過報告

2024-04-02更新

江戸川病院では放射線治療後再発乳がんを対象とした

医師主導の特定臨床研究を本年7月5日より開始いたしました。

経過報告

2024/04/02更新

このたび、Cureus誌(IF1,2)にKurosaki H.et al. “The Effects of Boron Neutron Capture Therapy on the Lungs in Recurrent Breast Cancer Treatment”(再発乳がんに対するBNCTの肺に対する影響)として掲載されましたのでご報告いたします。
今までの乳がん治療の論文での報告は原子炉で行っていた時代を含めて我々が調べた限りでは無く、世界初の報告となります。

論文では先の3例について主に肺への変化を報告したものですが、いずれも観察期間中に放射線肺臓炎の発生は認められませんでした。また、いずれの例でもBNCTによる効果も認められたことを付記してあります。ぜひご一読のほどお願いいたします。

2024/03/07更新

3月13日に特定臨床研究予定の5例目を施行することとなりました。これにて特定臨床研究のすべての症例が治療されることとなります。本研究では2025年秋までの期間で5例の予定でしたので、かなり予定より早く終了することになりそうでして、相談にいらっしゃった方を含めてすべての患者さんに感謝申し上げます。

上記の写真は2例目の半年後のPETーCTです。CTでは残存しているようにみえますが、PETの集積はなく、照射部位は死骸と考えております。

また、皮膚に播種していた3例目ですが、下に5月後のPET-CTを示します。このように腫瘍の取り込みだけでなく、皮膚への播種病変への取り込みも無くなって、普通の放射線治療や粒子線治療(重粒子線や陽子線)と違ってBNCTでは播種に強い、というのが示されたかと考えております。(なお、PET画像はともに患者さんからのご厚意で掲載させていただいております)

今後ですが、まずは5例目の照射を行い、経過観察をさせていただきます。そのうえで、現在さらに多くの皆様にBNCT治療を提供できるように病院長以下全員で考えているところです。

2023/12/19更新

現在までに4例のBNCTを行わせていただきました。前に報告させていただいたように1例目および2例目についてはすでに90日間の経過観察期間を終了しております。

10月に行われた4例目の60日後の診察が行われました。この4例目はかなり大きめの腫瘍かつ肺転移などがある患者さんです。1か月後のCTではあまり変化はなかったのですが、2か月後では内部に空洞ができ、かなり腫瘍は小さくなっておりました。また胸水の増加などが認められますが、全身状態に大きな変化はありませんでした。

本研究では5例と決まっているため、あと1例となっております。現在2例検討している状態ですが、もしもご紹介していただけます先生方におかれては早めに研究責任医師の黒﨑まで相談していただければ幸いです。また患者さんからも同様に早めにこちらに相談していただければ幸いです。

2023/11/30更新

現在までに4例のBNCTを行わせていただきました。前に報告させていただいたように1例目および2例目についてはすでに90日間の経過観察期間を終了しております。

9月に行われた3例目の60日後の診察が行われました。本例はCTなどでみえるより、広い範囲でPETの集積が認められた患者さんです。MRI拡散強調画像では異常信号がなくなりました。またCTでは本人からも「触ってデコボコ感がなくなりました」と言葉をいただいております。

本研究では本人の自覚症状や拡散強調画像では効果判定は行わないため、また今後のMRIやCTで違う結果になる可能性があります。また現在のところいずれの患者さんでもGrade2までの副作用ですが、今後の過程では発生する可能性はあります。

本研究では5例と決まっているため、あと1例となっております。もしもご紹介していただけます先生方におかれましては早めに研究責任医師の黒﨑まで相談していただければ幸いです。また患者さんからも同様に早めにこちらに相談していただければ幸いです。

2023/11/17更新

現在までに4例のBNCTを行わせていただきました。1例目および2例目についてはすでに90日間の経過観察期間を終了しております。

4例目は今までの症例とは異なり、かなり大きめの腫瘍に対してBNCTを施行させていただきました。かつ、本研究では転移がある方を転移があるからという理由だけで除外は行わないこととなっており、かなり広範な転移がある方です。1か月後のCTではあまり変化はありませんが、本人の自覚としてはかなり小さくなっており、右乳房と腫瘤の間に指が入るようになった、体調も良いと喜んでおりました。

なお、本研究では本人の自覚や視触診による効果判定は行わないため、また今後のMRIやCTで違う結果になる可能性があります。4例目ではGrade1の副作用、またほかの3例についてもGrade2までの副作用ですが、今後の経過では発生する可能性はあります。

本研究では5例と決まっているため、あと1例となっております。もしもご紹介していただけます先生方におかれましては早めに研究責任医師の黒﨑まで相談していただければ幸いです。

また患者さんからも同様に早めにこちらに相談していただければ幸いです。

2023/10/26更新

現在までに4例のBNCTを行わせていただきました。1例目はすでに90日間の経過観察期間を終了しております。

2例目では腫瘍マーカーは治療前13が1か月後には11に低下と先に報告させていただいたのですが、2か月後には4と基準値以内になりました。またGrade2以上の副作用は認めておりません。

9月に行われた3例目はもともとCTなどでみえるより、広い範囲のPETの集積が認められた腫瘤より大きめに広がっている(播種している)患者さんです。

BNCT1か月後のMRIを示します。MRIでは縮小し、拡散強調画像でも効果が得られています。

本研究では腫瘍マーカーや拡散強調画像では効果判定を行わないため、また今後のMRIやCTで違う結果になる可能性があります。また現在のところいずれの患者さんでもGrade2までの副作用ですが、今後の過程では発生する可能性はあります。

本研究では5例と決まっているため、あと1例となっております。もしもご紹介していただます先生方におかれては早めに研究責任医師の黒﨑まで相談していただければ幸いです。また患者さんからも同様に早めにこちらに相談していただければ幸いです。

2023/09/14更新

下記は8月上旬に行われた2例目では腫瘍マーカー(CEA)が治療前13に対し1か月後には11に低下しておりました。またGrade1以上の副作用は認めておりません。

2個あった病変の小さいほうのCTでの変化を示します。淡く、縮小しております。(なお、本研究では腫瘍マーカーなどの採血データでは効果判定は行わないため、また今後のMRIやCTで違う結果になることがあります。また、Grade2以上の副作用の発生は認められておりませんが、今後の過程では発生する可能性はあります。)

現在、ほかに2例で相談・検討中で、1例では今月末の施行に向けて仮計算を行うこととなりました。本研究では5例と決まっているため、もしもご紹介していただけます先生方におかれましては早めに研究責任者の黒﨑まで相談していただければ幸いです。

また患者さんからも同様に早めにこちらに相談していただければ幸いです。

2023/08/29更新

現在のところ、3名から特定臨床研究の同意を得させていただきました。

7月上旬および8月上旬に1例ずつ、合計2例の治療をさせていただきました。

7月上旬例については、照射から1か月経ちMRIにて拡散強調画像では効果が得られており、腫瘍サイズも縮小が得られております。


(なお、本研究では拡散強調画像では効果判定は行わないため、また今後のMRIやCTで違う結果になる可能性があります。またGrade3以上の副作用の発生は認められておりませんが、今後の経過では発生する可能性はあります。)

また、8月上旬の1例においても当初の5日間ではGrade2以上の副作用の発生は認められておりません。

その一方で、同意を得た1例においては、照射時間のオーバーが見込まれたため(ホウ素製剤のステボロニンが点滴開始後3時間以内にBNCTが治療を終了する必要性があります)、結果として治療は行わないことになりました。このように希望されても全員が治療を行えるものではないことをお伝えしておきます。


現在、ほかに2例で相談・検討中です。本研究では5例と決まっているため、もしもご紹介していただけます先生方におかれましては早めに研究責任医師の黒﨑まで相談していただければ幸いです。

また患者さんからも同様に早めにこちらに相談していただければ幸いです。

概要

BNCTの研究名
・放射線治療後再発乳がんを対象としたホウ素中性子捕捉療法(BNCT)のパイロット試験

開始予定日
・2023年7月5日より第1号の試験開始

対象
・乳がん放射線治療後の局所再発

以下の方は適応となる可能性がありますので、希望される方は放射線科外来を予約受診・ご相談いただければと思います。

・18 歳以上 85 歳未満
・以前の放射線治療が75Gy を超えていない。
・遠隔転移がない。ただし局所再発巣を治療することで予後延長が期待できる場合や、全身状態などが著しく改善すると認められる方は遠隔転移があっても適応となることがあります。

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の詳細については以下をご覧ください。