江戸川病院

社会福祉法人 仁生社

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心不全

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心不全とは

心不全とは心臓が十分な働きをすることができなくなる状態を指します。

その結果、心臓の前方にある他の臓器への血流が足りなくなり発生する障害(前方不全)や、心臓の後方へ血管、臓器へ血液が鬱滞することによって生じる障害(後方不全)によってさまざまな症状が生じます。

前方不全の例としては腎血流低下による腎不全、脳血流低下による意識障害等があります。

 

後方不全の例としては肺へ血液がたまることにより生じる呼吸困難や、全身に水分が貯留する浮腫などがあります。

また心不全はその経過から、比較的急速に発症し悪化する急性心不全と、徐々に悪化あるいは持続的に悪い慢性心不全があります。

原因

心不全を来す原因としては、心臓を栄養する血液の通る冠動脈の狭窄や閉塞による狭心症や心筋梗塞(心筋虚血)、心臓の中で血液の逆流を防止するための弁の異常(弁膜症)、何らかの原因で心筋自体が悪くなっていくことによるもの(心筋症)、先天性心疾患、不整脈、高血圧のほか、貧血やホルモンの異常、ビタミン不足等が挙げられます。

治療

心不全に対しては一般的に、心臓の負担を取る、心臓の機能を高めるあるいはサポートするというような治療を行います。

具体的には心臓の負担を取るために安静、酸素投与、塩分制限のほか、利尿剤やACE阻害薬、β遮断薬、血管拡張薬等を使用したりします。

心臓の機能を高めるあるいはサポートするために強心薬の投与のほか補助循環、ペーシングによる治療を行うこともあります。

もちろん、心不全の原因に対する治療が非常に重要ですが、一般的に心不全の患者さん予後はあまり良くなく、5年生存率は50-70%と言われています。

 

現在、心不全に対する治療として最も注目されているのは、不整脈による突然死を防ぐ植込み型除細動器と、左心室の壁運動のずれを補正し心臓の機能を高める心臓再同期療法です。

いずれも特殊なペースメーカーを用いて行う治療で、両方の機能を兼ね備えたものもあります。