江戸川病院

社会福祉法人 仁生社

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診療科・部門|スポーツ医学科|腰椎分離症

腰椎分離症

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概要

10代の活発にスポーツを行っている成長期のこどもに生じる腰の背骨の疲労骨折です。

高校生以下で2週間以上続く腰痛を訴えて受診した患者さんの約40%が腰椎分離症であったとの報告もあります。


発生率は,一般成人で約6%程度といわれています。しかし、アスリートにおいては,約30%とスポーツを行うことで,発症率が上昇することが報告されています。

野球(ボールを打つ時)、サッカー(ボールを蹴る時)、バレーボール(サーブ、アタックの時)などの腰をひねったり、反ったりするスポーツに多く発症します。


放置すると偽関節と言う骨折部がくっつかないこともあり、持続的な広い範囲の腰痛や下肢のしびれなどの後遺症が残ることがあります。

診断

①理学所見

・腰椎後屈・回旋で増強する腰痛 

・Kemp sign陽性

・限局した棘突起の圧痛

が生じている場合は腰椎分離症を疑います。


②画像所見

X線、CTやMRIを用いた早期診断が重要になります。

病期は初期、進行期、終末期に分かれます。

単純X 線斜位像ではスコッチテリア犬の首輪と呼ばれる像が確認できます。

単純X 線斜位像ではスコッチテリア犬の首輪と呼ばれる像が確認できます。

治療

画像検査(CTやMRI)による疲労骨折の進行具合で治療方針や治療期間が異なります。

初期、進行期で発見することが出来れば癒合する可能性があるため、コルセットを作成し治療を行います。


疲労骨折を早期に診断・治療できれば、3-4か月程度で運動を再開できることが多いです。

しかし、診断が遅れてしまうと、半年ほど治療に要することがあります。


一定数で再骨折が生じてしまうため、リハビリテーションは必須です。

数か月ごとにMRIを撮り、骨折の状態を確認しながら、リハビリテーションを行います。

リハビリテーション

リハビリテーションの開始時期は症状が改善した時点で早期に開始することを推奨する人もいれば、3ヵ月間の休養が終わるまで行わないなど様々となっています。


脊椎の生理的な可動性より逸脱した動きが生じないように,腰椎の隣接関節である股関節周囲筋ストレッチ(ハムストリング・大腿四頭筋・腸腰筋)、胸郭、肩甲帯のストレッチを実施します。


腰部に負担をかけないように臀部、体幹の筋力(腹横筋や多裂筋など)の筋力増強訓練を実施します。


症状が改善してきたら胸椎の伸展運動や回旋運動を実施し、腰椎に負担をかけない動作訓練を行います。その後、競技に特化した動作の訓練を行い競技復帰となります。

股関節周囲筋のストレッチ
体幹筋力トレーニング

参考文献

臨床スポーツ医学:Vol.33,No 4

関節外科 Vol.35 No.5(2016)

MB OrthoD.28(10):120-126.2015.

日本臨床スポーツ医学会誌:Vol. 25 No. 3, 2017.

MB Orthop.30(8):37-49,2017

Mitchell Selhorst ,et al:The International Journal of Sports Physical Therapy. Vol15,287-300,2020.

臨林と研究・97巻7号一

関節外科 Vol.39 No.2(2020)

Jounal of clinical rehabilitation Vol.29 No.5 2020.5

Jpn J Rehabil Med Vol. 58 No. 1 2021

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