ごあいさつ

江戸川病院BNCT(自由診療)

BNCT

ごあいさつ

 院長  加藤 正二郎
 
 江戸川病院では、 2006 年よりトモセラピー3台体制による IMRT を開始し、
現在はラディザクト(トモセラピー最新機種)よる放射線治療を行なっています。
  治療患者総数も 286,000  人を超え( 2008 年~ 2024  年)、 コロナ下でも外国より多数のがん患者さんが治療に訪れました。
世界的にも有数な放射線治療センターと言っても過言ではありません。
放射線治療の実績をベースに、 BNCT 14年前に導入しました。奇しくも自らはがんで 48 歳という若さで亡くなった前院長 加藤隆弘は最期の時間をこの病院設置型 BNCT の導入に注ぎ込みました。彼の情熱がなければこんな夢を語ることもきっと出来ませんでした。残された我々はついに彼の夢を形にし、皆様へサービスを提供することが可能となりました。今後も新しいがん治療へ挑戦し続けます。どうぞご期待ください。
  BNCT室顧問 日本中性子捕捉療法学会 顧問 伊丹 純
 
BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は1回の治療でがんを消滅させる可能性がある革命的な放射線治療です。特に乳がんなどの体表に近いがんの治療は BNCT が最も得意とすることろです。 BNCT ではホウ化フェニルアラニン( BPA)という化合物を点滴しながら治療を行いますが、 BPA は抗がん剤や分子標的剤などと異なり副作用
がほとんどありません。  BNCT の効果は BPA が集まった細胞だけで発揮されます。 BPAが乳がん細胞に選択的に集まることで正常の細胞の障害は発生せず、がんにだけに BNCT の効果が発揮されます。
 江戸川病院では CICS 社と共同で開発した BNCT 装置をもちいて、患者さんに安全で高精度な BNCTの施行が可能です。専任の医学物理士や診療放射線技師、看護師が放射線治療医と協力して患者さんをサポートする体制ができています。お悩みの際にはご遠慮なく相談ください。
 放射線科統括科長   中村 達也
 
江戸川病院では、再発乳がんや FDG-PETで陽性となった腫瘍を対象にした臨床研究を行ってきました。
これらの経験を経て、 2025年の夏から「 BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)」の自由診療を開始しました。
BNCTは、体の表面からおよそ 6cm以内にある腫瘍に対して行うことができる治療です。
乳がんの場合、当院の乳腺外科と協力し、手術を希望されない方を対象に 23日で治療を行っています。
当院の放射線科では、 BNCTだけでなく、トモセラピー(精密放射線治療)や血管内治療(カテーテルを使った治療)など、さまざまな方法を組み合わせて、患者さん一人ひとりに最も合った治療をご提案しています。
また粒子線治療の経験も 10年以上あり、 BNCTの対象にならない場合でも、他の選択肢をご案内することが可能です。 BNCTやその他の治療についてご相談をご希望の方は、どうぞお気軽にお問合せ下さい。
江戸川病院 放射線科: お問い合わせ
 BNCT室室長  植松 正裕
 
BNCTは、現時点では頭頸部がんのみが保険適用となっています。頭頸部がん(再発耳下腺がん等)に対しては、臨床試験が終了。治療効果が認められ、その結果に基づく薬事申請は 20203月に承認され、 6月には頭頸部がんに対する保険診療が開始されています。
しかし、承認されているホウ素薬剤は頭頸部がんだけが対象であり、ほかのがんに使うと適応外使用となり、自由診療のために入手することも出来ません。
BNCTは、正常組織には殆ど影響が出ずにあらかじめホウ素を取り込んでいたがん細胞のみが選択的に破壊される治療法であり、理論上、浅いところにあって、ホウ素薬剤が取り込まれるのであれば、治療を行うことが可能であり、ホウ素薬剤が取り込まれるかどうかは、 PET検査で判定できることから、現在、学会を中心に、ホウ素を取り込んだもので体表から 67cmぐらいまでのところにあるがんについて、すべて薬事承認が取れないかどうかを模索しています。しかし、実現には早くても 2030年以降になってしまう事が予想されています。
頭頚部腫瘍以外の BNCTは、特定臨床研究(未承認・適用外の医薬品等を用いる臨床研究)や医師主導治験(医薬品の承認申請を目的として医師が実施する臨床試験)等のみでしか行うことが出来ません。
江戸川病院では、 20237月より、再発乳がんを対象に特定臨床研究 P15症例)が開始され、肺などの正常組織への安全性の担保、治療効果を確認した後、 20248月より FDG-PET陽性の浅在性腫瘍を対象に特定臨床研究 P210症例)を開始し、 202510月に終了しました。 P28症例目から 10症例目は、乳腺外科と共同で手術を拒否されている初発の乳がんの症例に対し治療を行っています。
効果を確認するには、 1年程度の観察期間が必要ですが、途中経過は良好であり、公表できる日が待たれます。
また、 2025年より自由診療による BNCTを開始、既に 10症例を超えています。
放射線を用いた治療を安全にかつ高精度に行うためには、放射線と物質との相互作用の理解と、医療現場への医学物理的展開能力が必要になります。特にBNCTでは線量に影響する混在した放射線の複雑性において、最高度の医学物理的展開能力が必要になります。
当院には物理・工学の専門家である医学物理士を中心とした現場スタッフが常勤しており、放射線治療認定技師、放射線治療品質管理士などの優秀なスタッフも多数在籍しています。
それに加え放射線治療専属の看護師も擁しており、 20年に渡り放射線治療を行ってきた豊富な経験を踏まえ、細心の注意を払い治療にあたります。

自由診療について

●流れ、期間 治療の約2週間前:事前のチェック(診察、検査、CT撮影)
治療の約1週間前:治療計画(CTから中性子線の投与線量、照射位置を計算)
治療 :基本的には2泊3日の入院
 1日目 入院、治療当日のリハーサル
 2日目 ホウ素製剤を点滴投与(約2時間)
 BNCT装置で中性子線を照射(治療時間は約1時間)
 3日目 治療後の診察、退院
 照射の約1ヶ月後:定期的な経過観察(MRIや超音波検査など)

●治療回数
1回の照射(2泊3日)で完了

●費用(自由診療・日本居住者)*保険適用外
通常税込440万円程(見込み金額となり、場合によって異なる)

●医学的見地に基づきBNCT治療により予測される副作用・リスク 重大な副作用として粘膜の炎症等を伴う嚥下障害、放射線皮膚損傷等の重度の皮膚障害、結晶尿による血尿などが現れる可能性があります。再発乳がんを対象に行った特定臨床研究P1、DG-PET陽性の浅在性腫瘍を対象に特定臨床研究P2においてみられた腫瘍縮小に伴う皮膚潰瘍、一時的な脱毛も副作用として予測されます。 その他にも以下の副作用や、予想外の副作用があらわれることがあります。

一般的な放射線治療で認められる有害事象

疲労感、悪心、嘔吐、食欲不振、放射線皮膚炎、皮膚の乾燥、皮膚の色素沈着・色素脱失、皮膚毛細血管拡張、乳房浮腫・疼痛、肺臓炎、皮膚・皮下の硬結、肋骨骨折、虚血性心疾患、心嚢液貯留、放射線性肺炎、皮膚疼痛、多汗症、乏汗症、クレアチニン増加、腫瘍崩壊症候群、皮膚欠損、吐気、食欲不振、腎炎、腎不全、肝不全、肝機能障害、四肢の浮腫、脱毛

ホウ素薬剤の添付文書に記載されている副作用

  20%以上 5~20%未満 5%未満
血液およびリンパ系障害   リンパ球数減少、フィブリン D ダイマー増加、白血球数増加 鉄欠乏性貧血、リンパ球減少症、血中フィブリノゲン増加
耳および迷路障害   耳痛 回転性めまい、聴力低下
眼障害     眼乾燥、眼痛、眼瞼浮腫、涙器障害
胃腸障害 アミラーゼ増加(85.7%)、悪心(81.0%)、口内炎 腹部不快感、便秘、唾液腺痛 下痢、嚥下痛、顎下腺腫大
(61.9%)、嘔吐(47.6%)
一般・全身障害および投与部位の状態 倦怠感(42.9%)、口渇 発熱 顔面浮腫、顔面痛、腫脹、潰瘍
-42.90%
感染症および寄生虫症 耳下腺炎(66.7%)、結膜炎(33.3%)、唾液腺炎 蜂巣炎、外耳蜂巣炎、外耳炎、中耳炎 膀胱炎、口腔カンジダ症
-33.30%
傷害、中毒および処置合併症     放射線脱毛症
代謝および栄養障害 食欲減退(66.7%)    
筋骨格系および結合組織障害   頚部痛、顎痛、開口障害  
神経系障害 味覚異常(71.4%) 顔面不全麻痺 頭痛、嗅覚錯誤
精神障害     不眠症
腎および尿路障害     排尿困難
呼吸器、胸郭および縦隔障害   咽頭の炎症、鼻出血、口腔咽頭痛 しゃっくり、鼻閉、鼻の炎症
皮膚および皮下組織障害 脱毛症(90.5%) 顔面腫脹 皮膚炎、薬疹、紅斑
内分泌障害 血中プロラクチン異常(28.6%)、血中プロラクチン増加(28.6%)    
その他     照射部位の壊死
ホウ素薬剤の製造販売後副作用調査で報告された副作用

細菌性膿瘍、骨髄炎、誤嚥性肺炎、敗血症ショック、副鼻腔炎、アシネトバクタ— 感染、軟部組織壊死、腫瘍疼痛、腫瘍壊死、感染性新生物、癌疼痛、貧血、白血球数減少、アナフィラキシーショック、過敏症、副腎機能不全、甲状腺機能低下症、脱水、栄養障害、過小食、失見当識、摂食障害、脳血管発作、浮動性めまい、てんかん、神経痛、末梢性感覚ニューロパチー、脳浮腫、脳神経麻痺、味覚障害、視神経乳頭浮腫、視力低下、難聴、耳鳴、高血圧、起立性低血圧、発声障害、胸水、肺蔵炎、喉頭壊死、口腔咽頭痩、歯肉ポリープ、歯肉腫脹、舌炎、口腔上顎洞痩、皮膚剥脱、顎骨壊死、軟部組織壊死、腎機能障害、急性腎障害、治癒不良、粘膜の炎症、疼痛、潰瘍性出血、穿孔、体重減少、白血球数減少、放射線網膜症、放射線骨壊死、放射線壊死、放射線性貧血

医学的見地に基づき BNCT 治療により予測される副作用

放射線性肺炎、皮膚疼痛、多汗症、乏汗症、クレアチニン増加、腫瘍崩壊症候群、皮膚欠損、吐気、食欲不振 、部分脱毛

中性子線発生装置CICS-2 により予測される不具合

・治療照射台の誤操作により天板が予期せぬ動きをし、負傷する恐れがあります。
・照射位置の決定が不適切な場合、誤照射による被曝の恐れがあります。
・ストレッチャ、天板、治療照射台、固定具等及び照射口外装部など患者さんが触れる可能性のあるところは、感染症の恐れがあります。
・固定された天板から治療照射台に移乗するとき、落下あるいは挟み込みにより負傷する恐れがあります。
・照射位置を決める時に、照射口外装部への衝突や挟み込みにより重大な怪我に至る恐れがあります。
・照射中に動いたりすると、適切な照射ができなくなる恐れがあります。
・照射位置の設定中や照射中に具合が悪くなる場合があります。
・心臓ペースメーカ、人工心臓弁又は植込み型除細動器、人工内耳、神経刺激装置、人工呼吸器、注入ポンプなどの医療機器を装着している場合には、それらの機器が故障する恐れがあります。また、放射化による被曝の恐れがあります。
・体内に埋め込んだ金属クリップ、コイル、ステント、ボルトなどを装着した場合には、それらが放射化により被曝する恐れがあります。
・試験機器の消耗品などが適切に交換されてない場合には、不具合の発生により、治療照射が開始できない恐れがあります。
・所定の中性子線が得られない場合や照射中の陽子線異常により、患者さんへ過照射や照射不足が生じる可能性があります。

上記の副作用等は、すべての方に現れるというわけではありません。また、今までに報告されているものが、一度に出現するわけではなく、患者様によって副作用の種類や程度、発現の頻度は異なります。また、これまでに知られていない副作用が起きる可能性もあります。 副作用が出現してこないかどうか、担当医師は患者様の身体に起こることを注意深く診察します。もし、経過観察中にいつもと違った体調の変化がありましたら、すみやかに担当医師に連絡してください。担当医師が迅速かつ適切な対応を行います。また、副作用の程度や検査の結果によっては、担当医師が本治療を中止することもあります。 患者様には以上のような副作用の可能性があることを十分に納得の上で、本治療を行う事を了承して頂き、もし上記のような有害反応が出てきた場合にはその病状に応じて最善と考えられる処置を行います。

※江戸川病院のBNCTの装置・医薬品について
江戸川病院のBNCT治療で使用される医療機器(BNCT装置)・医薬品(ホウ素製剤)は医薬品医療機器等法上、未承認となります。
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

  BNCT 装置 ホウ素製剤
江戸川病院で使用している
機器・薬品の承認の有無
なし なし
江戸川病院で使用している
機器・薬品の入手経路
国内の株式会社 CICS 製の
装置を導入
台湾の台湾製薬株式会社製の
製剤を江戸川病院で個人輸入
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/index.html
国内の承認医薬品・装置の
有無
あり
(住友重機械工業株式会社製)
あり
(ステラファーマ株式会社製)
諸外国における
安全性等に係る情報
諸外国でも未承認のため、
重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。

お問い合わせ先

江戸川病院 BNCTセンター担当

受付時間 月~金曜日 9:00~17:00

03-3673-1221(代表)

住所:〒133-0052 東京都江戸川区東小岩2丁目24-18

BNCTに関する取材について
患者サポートセンター 広報担当までご連絡下さい