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■心臓血管外科 ●診療内容
江戸川病院心臓血管外科では狭心症・心筋梗塞、心臓弁膜症、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、末梢血管疾患を対象として患者様ひとりひとりに合ったオーダーメイド医療を実践しています。 ■狭心症・心筋梗塞の治療 心臓は若年男性(安静時)で1分間に約6リットル近く血液を拍出し、1日で約10万回の拍動をしている筋肉(心筋と言います)で構成されている臓器です。こうした心臓は充分な酸素とエネルギーの供給が必要で、この輸送路となるのが冠状動脈(心筋の栄養血管)です。狭心症とは冠状動脈が動脈硬化などの原因により狭くなり、酸素やエネルギーの供給が減少するために心臓が酸欠状態に陥った状態(「虚血」といいます)で血行再建により回復可能です。一方、心筋梗塞は虚血の段階が更に進行し心筋細胞が壊死(死んでしまうこと)になった状態を指します。壊死になった心筋はいかなる治療でも回復しません。しかし壊死に陥った周囲の生きている心筋は虚血に曝されているため血行再建にて救うことができます。 ■冠状動脈バイパス手術について 1960年代から行われている歴史の古い冠動脈バイパス術は,元来人工心肺による循環保護下に実施されてきました。人工心肺とは心臓の手術をする際に拍動する心臓の動きを止めるために心臓の内腔から血液を抜き取り(体外循環下手術と言います)心臓を冬眠状態(「心筋保護」と言います)にして行うための器械です。読んで字のごとく、人工心肺は人工心臓(血液ポンプ)と人工肺から構成されています。冠状動脈バイパス術は心表面にある冠動脈(直径3mm程度の血管です)に血管吻合を行う手技ですが、心臓の収縮に応じて冠動脈も揺れますので、3mmの血管吻合という細かい作業は不可能に近いものです。人工心肺により心筋保護により心停止を得られ、動かない視野で血液による視野妨害もない状態での吻合が可能になります。 ■弁膜症の治療 心臓には4つの部屋がありますが、血の流れは大きく右心系(右心房→右心室→肺動脈)と左心系(左心房→左心室→大動脈)に分かれています。いずれも血の流れが一方向になるために、各部屋を連絡する4つ扉のにあたるところに心臓弁が存在します。右側の流れを調節しているのが三尖弁と肺動脈弁、左側の流れを調節しているのが僧帽弁と大動脈弁です。代表的な弁膜症には、弁が癒着して開口部が狭くなって血液の流れが妨げられる「狭窄」と、弁の閉じ方が不完全なために逆流を起こす「閉鎖不全」があります。4つの弁のうち、臨床的に問題となるのは、収縮する力がより必要な左側にある僧帽弁と大動脈弁に起こるもので、代表的な病名は僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈狭窄症、大動脈閉鎖不全症です。弁膜症の原因はリウマチ熱の後遺症、動脈硬化、感染性心内膜炎、狭心症や心筋梗塞、外傷、変性、先天性が考えられていますが、原因を特定できないものも多くあります。 ■胸部大動脈瘤胸部大動脈瘤は肋骨に囲まれた胸腔内にある大動脈瘤がふくれる病気で原因は動脈硬化によるものです。大動脈瘤の出来た部位により胸部上行大動脈瘤、弓部大動脈瘤、胸部下行大動脈瘤と呼ばれます。正常の2倍以上にふくれると破裂する危険性が高くなり、手術を勧められます。通常は症状がなく、胸部レントゲン写真などで偶然見つけられることがほとんどです。しかし大きくなると声帯に行く神経を圧迫したりして嗄声(声がかれる)、食道を圧迫して嚥下障害(食べ物が通りにくい)、大動脈弁を変形させて心臓弁膜症になり心不全などの症状を示す場合もあります。 ■腹部大動脈瘤腹部大動脈瘤とは、ちょうどお腹のまん中にある大動脈がふくれる病気です。腹部大動脈は、横隔膜を貫き肝臓、胃腸、腎臓への動脈を枝分かれした後、二本に分かれ両方の足を栄養する動脈となります。腹部大動脈の太さが通常の二倍以上に太くなったものが大動脈瘤です。腹部大動脈瘤は通常痛みなどの症状はなく、知らない間に大きくなり、腹部を触ったりしたときに、偶然に脈打つ大きな腫瘤(塊)として触れ発見されることが殆どです。しかし、膨れ上がった瘤は、内腔の血圧に耐えきれなくなった時に破裂します。破裂する際に激しい腹痛、腰痛などの症状があります。腹部大動脈瘤が破裂しだすと、激痛や出血のため失神することが多く、診断されないまま、いろんな救急病院に搬送されています。一時的に出血が止まり意識が回復した際、症状や腹部エコー、腹部CTなどの検査により診断され、心臓血管外科医に治療が依頼されます。また、瘤の拡大により動脈瘤壁についた血栓が剥がれ、足の血管にとびつまることがあります。この場合も、緊急の処置が必要になります。 ■解離性大動脈瘤解離性とは内膜-中膜-外膜の3層構造の大動脈壁が内膜と外膜の間(中膜)でさけて、内腔(血の流れるところ)が二重になってしまう状態で急性大動脈解離ともいわれます。解離性大動脈瘤は、近年増加しつつあり、予後が不良のために注目されている病気です。突然発症し、発症後48時間以内に50%、1週間以内に70%、2週間以内に80%の高率で死亡するといわれています。解離の部位からスタンフォード分類A型、B型に分かれます。とくにA型では、急死にいたる合併症(心嚢内への破裂・出血、心筋梗塞、大動脈弁閉鎖不全症、心不全など)を生じやすく、緊急に外科的治療が必要です。一方B型は破裂、臓器障害などの出現時は緊急手術を要しますが、まずは血圧を下げ合併症が進展しないようにするために集中管理されます。 ■閉塞性動脈硬化症閉塞性動脈硬化症とは、手足の血管(動脈)が動脈硬化を起こして狭窄または閉塞する病気です。それは動脈硬化が進むことで四肢の動脈が閉塞して血液の流れが悪くなり、足がしびれたり歩くのが困難になったりする等の症状が現れます。放っておくとやがて血流がなくなって足が壊死に陥り、切断という最悪の事態にいたってしまうこともあります。治療法は重症度により異なりますが、薬で症状が改善しないと経皮的血管形成術や人工血管によるバイパス手術が必要になります。一定の距離を歩くと筋肉の痛み・ひきつりを感じて歩けなくなる間歇性破行、安静時通、下肢の冷感、チアノーゼ(暗紫色になる)がある場合は是非ご相談ください。
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